氏名 | 役職 | 専門医等 |
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西川 周治 (にしかわ しゅうじ) |
主任部長 | ・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会耳鼻咽喉科専門医・研修指導医 ・日本頭頸部外科学会認定頭頚部がん専門医・指導医 ・がん治療認定医 ・補聴器相談医 ・難病指定医 ・緩和ケア研修会修了 ・医学博士 |
野呂 恵起 (のろ けいき) |
副部長 | ・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会耳鼻咽喉科専門医 ・緩和ケア研修会修了 |
兼竹 博文 (かねたけ ひろふみ) |
医長 | ・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会耳鼻咽喉科専門医 ・緩和ケア研修会修了 |
大津 和弥 (おおつ かずや) |
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会耳鼻咽喉科専門医 ・喉頭形成手術実施医 ・補聴器適合判定医・相談医 ・緩和ケア研修会修了 ・西日本音声外科研究会世話人 ・医学博士 |
耳鼻咽喉・頭頸部外科は耳・鼻・咽喉頭を扱うだけでなく、脳の下から鎖骨の上までを扱う頭頸部外科も診療・治療します。難聴やめまい、顔面神経麻痺といった耳疾患、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの鼻疾患、扁桃炎や声帯ポリープといった咽喉頭疾患に加え、甲状腺や唾液腺などの頭頸部腫瘍の治療も行っています。入院診療では突発性難聴、顔面神経麻痺などに対するステロイド漸減点滴治療や、経口摂取困難な扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍、急性喉頭蓋炎など急性炎症に対する抗生剤点滴治療、めまい疾患などを受け入れております。
また手術に関しては耳鼻咽喉科手術全般を行っています。その中でも頭頸部腫瘍や音声外科、鼻副鼻腔に対する手術に力を入れております。
頭頸部腫瘍としては耳下腺腫瘍や甲状腺腫瘍、頚部リンパ節腫脹などに対して外来で受診当日に穿刺吸引細胞診を施行が可能で、画像検査なども行い、手術適応のある方には積極的に手術加療を行っております。
また、本年4月より頭頸部癌治療に関しましても、手術、放射線、化学療法など集学的治療を用い、積極的に治療も行ってまいります。
鼻・副鼻腔手術については、画像手術支援装置としてナビゲーションシステムが導入されております。これにより術中にリアルタイムで手術操作している部位がわかるようになり、昨今難治化している副鼻腔炎症例に対してもより安全に、かつ的確に内視鏡下鼻副鼻腔手術を施行することが可能となりました。
鼻中隔弯曲やアレルギー性鼻炎による鼻閉や鼻水で困られている方に対して、鼻中隔矯正術や下鼻甲介手術やレーザーを用いた下鼻甲介鼻粘膜焼灼術を行っています。
耳疾患においては、慢性中耳炎に対する鼓膜形成術や鼓室形成術、真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成術、顔面神経麻痺に対する顔面神経減荷術、滲出性中耳炎に対する鼓膜チューブ留置術などを行っています。
他院にない特徴として2023年1月より音声外科センターを開設いたしました。種々の音声障害患者さんに対して診察し、手術で対応可能な症例に対して加療を行い、音声改善に取り組んでおります。具体的には胸部大動脈疾患や種々の腫瘍(食道や肺・上縦郭、甲状腺など)、脳血管疾患によって生じた声帯麻痺や、声が震えたり詰まったりする難治性の内転型痙攣性発声障害、声帯ポリープや腫瘍などです。これらの患者の皆様は困っていてもどこでどのように治療したら良いか、患者さんのみならず医療者の間でも知られていない現状があります。そういった患者さんに対して当院では声帯麻痺の方には甲状軟骨形成術Ⅰ型や披裂軟骨内転術といった喉頭枠組み手術を施行して音声改善を図ったり、全身状態が悪い人、高齢者に対しては外来でアテロコラーゲン注入を行って音声改善を図っております。これにより大きな声が出るようになり、会話が楽になり患者さんに喜ばれております。
内転型痙攣性発声障害に対してはボトックス注入による治療に取り組んでおります。声帯ポリープや喉頭良性腫瘍などに対しては経口的に切除し、侵襲の少ない短期入院手術で対応しております。
・主な外来・入院疾患
部位 | 疾患 |
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耳 | 急性中耳炎、慢性中耳炎、滲出性中耳炎、突発性難聴、顔面神経麻痺など |
鼻・副鼻腔 | 副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症、アレルギー性鼻炎、鼻・副鼻腔腫瘍など |
咽頭・喉頭 | 声帯麻痺・痙攣性発声障害などの音声障害、喉頭腫瘍、声帯ポリープ、習慣性扁桃炎、アデノイド |
口腔 | 口腔(舌)腫瘍、唾石症 |
頸部 | 甲状腺癌を含む頭頚部癌、耳下腺腫瘍などの唾液腺腫瘍、甲状腺腫瘍、 咽喉頭良性腫瘍などを含む頭頸部腫瘍全般、嚥下障害 |
・治療・術式
主な疾患 | 治療・術式 |
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アレルギー性鼻炎 | 下鼻甲介レーザー焼灼術、翼突管神経切除術 |
鼻中隔弯曲症 | 鼻中隔矯正術 |
慢性副鼻腔炎 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術 |
主な疾患 | 治療・術式 |
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慢性扁桃炎 | 扁桃肥大、扁桃摘出術 |
アデノイド肥大症 | アデノイド切開術 |
声帯ポリープ、声帯結節 | 顕微鏡下喉頭微細手術 |
声帯麻痺 | 甲状軟骨形成術Ⅰ型 披裂軟骨内転術 アテロコラーゲン注入 |
痙攣性発声障害 | ボトックス注入 |
声を高くする、低くする | 甲状軟骨形成術Ⅲ型 甲状軟骨形成術Ⅳ型 |
主な疾患 | 治療・術式 |
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甲状腺腫瘍 | 甲状腺腫瘍摘出術 |
耳下腺腫瘍 | 耳下腺腫瘍摘出術 |
顎下腺腫瘍 顎下腺唾石 | 顎下腺腫瘍摘出術 |
そのほか、頭頚部癌を含む頭頸部腫瘍全般 |
主な疾患 | 治療・術式 |
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慢性中耳炎 | 鼓膜形成術、鼓室形成術 |
真珠腫性中耳炎 | 鼓室形成術 |
滲出性中耳炎 | 鼓膜切開術、鼓室チューブ留置術 |
顔面神経麻痺 | 顔面神経間開放術 |
内視鏡下鼻副鼻腔手術の様子です
令和4年 | 令和5年 | |
手術症例数 | 合計 436例 | 合計 454例 |
●耳疾患 | 小計 55例 | 小計 36例 |
鼓室・鼓膜形成術 | 5例 | 2例 |
鼓膜チューブ挿入術 | 8例 | 10例 |
外耳道腫瘍摘出 | 4例 | 0例 |
顔面神経減価術 | 2例 | 0例 |
その他 | 36例 | 24例 |
●鼻副鼻腔疾患 | 小計 167例 | 小計 193例 |
鼻中隔矯正術 | 33例 | 26例 |
内視鏡下鼻腔手術I型 | 47例 | 44例 |
内視鏡下副鼻腔手術 | 37例 | 52例 |
鼻腔腫瘍摘出 | 3例 | 3例 |
翼突管神経切断術 | 12例 | 10例 |
その他 | 35例 | 58例 |
●咽喉頭疾患 | 小計 122例 | 小計 135例 |
口蓋扁桃摘出術 | 49例 | 55例 |
アデノイド切除術 | 6例 | 9例 |
軟口蓋形成術 | 3例 | 1例 |
喉頭微細手術 | 36例 | 26例 |
喉頭形成術 | 13例 | 11例 |
喉頭粘膜下異物挿入術 | 8例 | 15例 |
その他 | 7例 | 18例 |
●頭頸部腫瘍疾患 | 小計 77例 | 小計 67例 |
口腔・咽頭悪性腫瘍摘出 | 2例 | 1例 |
喉頭悪性摘出 | 2例 | 1例 |
舌悪性腫瘍摘出 | 4例 | 0例 |
甲状腺良性腫瘍摘出 | 11例 | 10例 |
甲状腺悪性腫瘍摘出 | 8例 | 12例 |
バセドウ病手術 | 1例 | 0例 |
耳下腺腫瘍摘出 | 12例 | 10例 |
顎下腺摘出 | 3例 | 3例 |
頸部郭清術 | 3例 | 3例 |
リンパ節摘出術 | 3例 | 2例 |
神経鞘腫摘出 | 1例 | 0例 |
その他 | 27例 | 25例 |
●頭頸部腫瘍疾患 | 小計 8例 | 小計 5例 |
●その他 | 小計 7例 | 小計 18例 |
地域中核病院として近隣耳鼻咽喉科医の先生と連携を取りながら、通常の耳鼻咽喉科疾患診療に取り組みつつ、長年悩まれていた音声障害の方に対しては、地域を超えて診療にあたりたいと考えております。
何かありましたら医療相談・連携室を通じてご相談いただければ幸いです。
月曜日~金曜日 9時~11時半
造影CT やMRI などの画像検査、顔面神経電気診断、ABR、語音聴力検査などの特殊検査は予約制で行っております。
火曜日・水曜日・木曜日の午後、金曜日は終日
音声外科に関して、他院であまり取り扱っていない声帯麻痺や痙攣性発声障害、声の高さ障害などの患者さんに対して喉頭枠組み手術を行っています。