診察料・部門小児科

診察料・部門

  1. HOME
  2. 診察料・部門
  3. 診療科
  4. 小児科

診療科紹介

小児の持続する発熱、強い咳込み、喘鳴・呼吸困難、ひきつけ・けいれん発作、頭痛、腹痛、嘔吐・下痢、脱水、意識障害などの症状を呈するほとんどの急性疾患について対応しております。365日24時間体制で救急車搬送を受入れしておりますので、時間外や休日に病状が急変された場合も診断、治療を行い、入院加療も随時可能です。小児科病床は35床あります。
なお、当科は小児科学会より研究施設として認定されております。
また、私どもは特に以下の分野において専門的な診察、治療を行っております。

神経外来

子どもたちの病気のなかで、神経発達に関連する病気の頻度は高いです。精神運動発達の遅れ、熱性けいれん、てんかん、筋肉の病気、神経感染症、神経免疫疾患、進行性の変性疾患、発達障害など多岐にわたります。当院では神経発達に関連する病気に対して、小児神経専門医が3名、てんかん専門医が2名(小児神経専門医と重複)おり、診療にあたっています。

てんかん、熱性けいれん、脳炎・脳症熱性

当院では、365日24時間対応の救急体制が整備され、てんかん、熱性けいれん、脳炎・脳症などによるけいれんや意識障害などの神経症状に関しても緊急対応しています。
ビデオカメラで撮影した動画と脳波を同時に記録し分析できるデジタル脳波計を2台保有し、モニタリングのための赤外線カメラを設置している病室も完備しており、様々な発作や意識障害に対して対応可能です。
また、脳炎・脳症に対する脳平温療法も導入しています。発作や意識障害の治療では薬剤の副作用に注意し、認知機能などの評価も行っており、患者の皆様の生活の質(QOL)を尊重することを心がけています。てんかんでは、ウエスト症候群(点頭てんかん)へのACTH療法(副腎皮質刺激ホルモン療法)などの特殊療法も行っています。熱性けいれんでは、発熱時の対応法、予防接種の勧め方など患者の皆様一人ひとりの病状に応じた指導を行っています。

発達障害

近年、注目されているいわゆる発達障害(自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害、限局性学習障害、発達性協調運動障害)の診療や支援を積極的に行っています。
さらに、発達障害のある子どもによくみられる不器用さや眼球運動の苦手さ、認知機能などの評価も行っています。
また、必要な場合には、連携している大阪医科薬科大学LDセンターに紹介し、より詳細な読み書きや視機能の評価をしていただき、訓練や支援をしてもらう体制を整えています。
療育が必要な脳性麻痺をはじめとする運動発達障害の患者の皆様に対しては、市立ひらかた子ども発達支援センターと連携し、きめ細やかな診療・療養体制を確立しています。

内分泌外来

子どもたちが成長する中で、目に見えないところで様々な内分泌器官が働き、子どもたちの成長や発達は正常に促されます。しかし、何らかの原因でこれらの内分泌状態が乱れると、様々な疾患が生じ、発育に影響を与えます。これらの疾患の原因は、生活習慣を含めた環境的な問題、あるいはホルモン異常などを含む器質的疾患であったりします。
私たちはこれらの原因を可能な限り解明し、適切な医療介入により子どもたちの健康な発育が促されるよう心がけています。

糖尿病

膵臓から分泌されるインスリンは、細胞内にブドウ糖を取り込むことができる唯一のホルモンであり、生体活動に必要不可欠なホルモンです。ウイルス感染、自己免疫機序などによりインスリン分泌能力が失われインスリンの絶対的欠如が生じる1型(若年型)糖尿病、そして生活習慣、体質や肥満に伴いインスリン感受性が低下し、インスリンの相対的欠乏をきたす2型(成人型)糖尿病の診察を行っています。

甲状腺疾患

甲状腺ホルモンは、生体エネルギー活動を調整するホルモンですが、小児期の成長や発達にも影響する重要なホルモンです。先天的に甲状腺ホルモンが分泌されないクレチン症(先天性甲状腺機能低下症)のホルモン補充治療、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、慢性甲状腺炎(橋本病)などの薬物治療法を行っています。

低身長児

小児期の身長の獲得には成長ホルモンや甲状腺ホルモン、その他家族歴や出生歴などの体質などが強く影響します。成長ホルモン分泌機能検査を含めた検査を行い、総合的に低身長症の評価を行っています。主に成長ホルモン分泌不全性低身長、出生時から低身長が持続するSGA(small-for-gestational age)性低身長などに対し、成長ホルモン補充療法を行っています。

その他

その他内分泌疾患全般に関し、精査及び治療を行っています。

腎臓外来

腎臓は「物言わぬ臓器」と言われ、腎臓病の多くは進行するまで症状が出ません。子どもの場合、学校検尿で早期発見できる場合が多いですが、腎臓を将来にわたって良い状態に保つには、成長・発達、さらには成人してからのことも見据えた長期的視点に立った正確かつ適切な診断・治療が重要です。
当科では、正確な診断のために尿検査や血液検査のみならず、腎・尿路超音波検査、逆行性膀胱尿道造影検査(VCUG)、CT検査、MRI検査などを院内にて迅速に行っています。
慢性腎炎や難治性のネフローゼ症候群に対してはエコーガイド下腎生検を行い、正確な診断・治療方針の決定に役立てています。治療は確かな科学的根拠に従った標準的治療を基本としつつ、一人ひとりの状態に応じた治療を本人及び保護者の方と相談しながら決定していくようにしています。
腎臓病の治療は長期にわたることが多く、病気の治療だけでなく、子どもの心身の成長・発達にも考慮し、生活制限を必要最小限にして、できるだけ子どもの生活の質を落とさないように心がけています。
腎臓病の診断には、朝起きてすぐの尿(早朝第一尿)が診断に役立つ場合が多いので、受診の際はペットボトルなどのきれいな容器に尿(10ml以上)を採って持参してください。乳幼児で採尿できない場合は外来受付でご相談ください。

検尿異常(血尿・尿蛋白)

学校や健診で血尿や蛋白尿を指摘された場合、経過観察でよい場合もありますが、慢性腎炎などの治療が必要な腎臓病の場合もあるので、必要に応じて尿検査・血液検査、腹部エコー検査などを行い、その結果に応じた適切な診断・指導を行うようにしています。

腎炎・ネフローゼ

急性糸球体腎炎や、IgA腎症をはじめとする慢性腎炎・ネフローゼ症候群、紫斑病腎炎などの診断・治療を行っています。必要な症例には腎生検を施行して的確な診断を行い、本人及び保護者の方と相談の上で、病勢に応じてステロイド薬、各種免疫抑制薬、アンギオテシン受容体阻害薬などを用いた治療を行っていきます。

尿路感染症

尿路感染症は、おしっこの出口から細菌(主に腸内細菌)が侵入することで起こります。感染が膀胱にとどまる場合は膀胱炎といって発熱はありませんが、腎臓にまで至ると腎盂腎炎を起こし発熱を伴うようになります。
特に、幼児の腎盂腎炎は発熱以外の症状に乏しいため、尿検査を行わないと見逃されがちな病気です。腎盂腎炎を繰り返すと将来、腎臓機能が悪くなる恐れがあり、適切な診断・治療・管理が重要です。
当院では、積極的に検尿を行い、腎盂腎炎が疑われる子どもには導尿による尿培養検体の採取を行い、的確な診断・治療を心がけています。また、腹部超音波検査や排尿時膀胱尿道造影検査(VCUG)を行い、腎盂腎炎を起こしやすい膀胱尿管逆流症や後部尿道弁など尿路異常の検索や、腎臓シンチグラフィによる腎機能評価などを行い、適切な治療・管理に繋げるよう努めています。

急性腎不全・慢性腎不全

病原性大腸菌O157による溶血性尿毒症症候群をはじめとする急性腎不全に対しては、厳重な体液管理及び電解質管理が必要になります。当科では、急性腎不全や慢性腎不全に対する内科的治療・管理が可能です。

その他

水腎症などの腎尿路奇形の診断・管理、あるいは「尿の回数が多い」「色が気になる」など、子どもの腎臓・泌尿器に関する相談に応じます。
急性血液浄化療法や手術が必要な場合は、子どもの治療を最優先に考え、大阪医科薬科大学などと連携し紹介するようにしています。また、他院での診断・治療に関する疑問や不安についても随時相談いただけます。

消化器外来

小児領域において、嘔吐・下痢・腹痛などの消化器症状は非常に一般的な症状です。
また、小児特有の乳児肥厚性幽門狭窄症、救急疾患である腸重積症、急性虫垂炎などの疾患も存在します。これらの疾患に対し、CT、腹部エコー、消化管内視鏡、消化管造影などを柔軟に実施し迅速に対応します。緊急性のある疾患ではありませんが、意外に多くの保護者の方がお悩みの小児の便秘症、反復性腹痛なども診療していますので、お気軽にご相談ください。

乳児肥厚性幽門狭窄症

胃の出口の筋肉(幽門筋)が異常な収縮を来すことで、厚みを増し(肥厚し)た結果、出口が狭くなり(狭窄し)、胃から先に母乳、ミルクを送り出すことができなくなる疾患です。生後2週間以降に発生することが多く、噴水状の嘔吐が特徴とされ、嘔吐症状は強いものの、嘔吐後すぐに哺乳をしたがります。腹部エコーで診断され、注射薬での内科的治療や幽門筋の切開を行う外科的治療が行われます。

腸重積症

口側の腸管が肛門側の腸管に引き込まれ重なり合った状態(重積)になることです。生後3か月から3歳までに発生することが多く、主な症状は不機嫌(5~30分毎に泣く)、嘔吐、血便です。原因となるポリープなどの病変を認めることもありますが、多くはそのような病変は伴わず、上気道感染や腸炎に引き続いて発生すると言われています。腹部エコーや消化管造影で診察・治療を行います。

急性虫垂炎

一般的に「盲腸」といわれる疾患です。右下腹部にある虫垂という器官が塞がる(閉塞する)ことで発生します。いずれの年齢にも起こり得ますが、学童期から発生数が増加します。症状は右下腹部痛ではなく、右上腹部痛ではじまり、徐々に右下腹部痛に変化する経過が典型的だといわれています。診断は、腹部エコー、腹部CTで行われます。治療は症状の強さ、検査所見などにより、抗菌薬での内科的治療または虫垂を切除する外科的治療が選択されます。

便秘症

便が滞った、または便が出にくい状態です。発生しやすい時期は乳児期の食事の移行期、幼児期のトイレットトレーニングの時期、学童期の通学開始時期です。腹痛、排便時痛、血便、食欲減退などがあれば治療の対象であると考えています。治療としては、食事療法、行動療法、薬剤療法などを行います。重度の便秘になると、入院での治療が必要となる場合があります。

反復性腹痛症

腹痛は小児期によくみられる症状です。時に長期間症状が繰り返し認められる場合があります。採血、便検査、レントゲン、腹部エコー、腹部CT、消化管内視鏡などを行い、原因となる病変がないか検査します。病変を認める場合はその治療を行います。しかし、明らかな病変が存在しなくても起こる腹痛もみられ、薬剤療法などを行う場合もあります。

専門外来

当科では各種専門外来を予約制にて行っております。

種別 月曜 火曜 水曜 木曜 金曜
予防接種外来(午後2時)        
消化器外来(午後2時)      
心臓超音波診断(エコー)(午前9時~)        
乳児健康診断(午後2時)        
神経外来  
内分泌外来(午後2時)        
神経(発達)        
腎臓外来(午後2時)        

地域医療機関の方へ

地域の中核病院として、病診連携を重要課題と考えております。小児の場合は緊急の患者さんが多いので、その都度ご連絡下さい。
また、主に大阪医科大学の協力のもと、以下の専門外来を予約制で行っています。

当院で行っている検査(予約が必要な検査もあります)

画像

CT、MRI、SPECT

ホルター

ホルター心電図

エコー

腹部エコー、心エコー

内視鏡

上部消化管内視鏡、大腸内視鏡

造影

膀胱造影、経静脈的腎盂造影

生検

肝生検、腎生検

テスト

知能・認知テスト、心理テスト

その他

脳波(中央検査室、病棟の緊急検査、脳波―発作同時記録)、ABR(聴性脳幹反応)、染色体検査、筋電図、神経伝導速度、呼吸機能検査、その他

外来担当一覧・休診代診表

下記リンクより外来診療予定表をご覧いただけます。

医師紹介

常勤

氏名 役職 専門医等
岡空 圭輔
(おかそら けいすけ)
主任部長 ・日本小児科学会専門医・指導医
・医学博士
柏木 充
(かしわぎ みつる)
部長 ・日本小児科学会専門医・指導医
・日本小児神経学会専門医・指導医・評議員
・日本てんかん学会専門医・指導医
・日本小児救急学会代議員
・日本DCD(発達性協調運動障害)学会理事
・日本小児神経学会近畿地方会運営委員
・大阪小児てんかん研究会世話人
・医学博士
白數 明彦
(しらす あきひこ)
部長 ・日本小児科学会専門医
野村 昇平
(のむら しょうへい)
部長 ・日本小児科学会専門医
大場 千鶴
(おおば ちづ)
副部長 ・日本小児科学会専門医
・日本小児神経学会専門医
松田 卓也
(まつだ たくや)
医長 ・日本小児科学会専門医
居相 有紀
(いあい ゆき)
医員  
満屋 春奈
(みつや はるな)
医員  
水岡 敦喜
(みずおか あつき)
医員  
水谷 肇
(みずたに はじめ)
医員  

非常勤

氏名役職
余田 篤
(よでん あつし)
非常勤医員
田辺 卓也
(たなべ たくや)
非常勤医員
尾崎 智康
(おざき のりやす)
非常勤医員
松村 英樹
(まつむら ひでき)
非常勤医員
井上 敬介
(いのうえ けいすけ)
非常勤医員

診療実績

主な検査等症例数

検査名 症例数 摘要
ビデオ脳波 47例
外来 2,156例・入院 608例
脳波検査 571例
知能・発達検査 333例
アレルギー疾患児 2,764例
食物アレルギー負荷検査 8例
膀胱造影 23例